わたしは、元々最初からベースを弾いていたわけでは御座いません。
わたしは元々、目立つ事が好きな方で、最初に音楽を始めるキッカケも
目立ちたいから友達何人かと組んだバンドがそもそもの始まりでした。
目立ちたがりのわたしはバンドの花形、ボーカルを担当しました。
最初は遊び半分で始めた音楽だったんですが、半年1年と時間が過ぎていく内に、
わたしは本気で音楽の世界で成功したいという思いが強くなり始めていくのですが、
と、同時にあることにも真剣に悩み始めるようになります。
それは“ボーカル”に対してです。
始めてからだんだん本気でやる内に、ボーカルの対するある1つのポイントに気づき、
そして悩む事になります。
それは、“似たり寄ったりになる”という部分です。
これは、例をあげると例えばエアロスミスのスティーブン・タイラー。
彼はボーカルとして、圧倒的な才能、技術を持っているという点においては言うに及びませんが、
最大の魅力は彼自身の“声”。
あのハスキーで伸びのある独特の声こそが、今尚彼が第一線で活躍し続けられる、
オンリーワンでありつづけるポイントというか、特徴、魅力だと思います。
そうなんです。
第一線で活躍しつづけるボーカリスト達に共通する点は“歌声”なんです。
ですからその特徴が出せない、普通の人がボーカルのレッスンを受けても、
“上手く”はなってもやはり似たり寄ったりになってしまうんです。
そんな中で、お世辞にも特別な“声”を持っていないわたしは、そういった中で、
次第にボーカル自体に余り面白みを感じなくなっていきました。
そんなある日、懇意にさせてもらっているあるプロのミュージシャンに、
“楽器は弾く人によって全然違う、リズムも音も。”
という話を聞き、そしてその人から“ベースは特にカッコいいよ、実は”という話を聞き、
ベースに興味を持ち、始めることになります。
初めてみてビックリしました。
ベースを始める前、ギターは少しかじっていたし(コード弾きくらいは出来ました)、どちらも弦楽器で、形も似ているし、共通の部分も多いだろう。
押さえるポジションも同じようだし、ベースはギターに比べ弦も少ないし、
簡単にいけると高をくくっていたのですが、
直ぐにこれは大間違いだと認識する事になります。
そこには、楽器としてまったくの違いがありました。
ベースは基本、指引きで入る方が多いと思いますが、わたしもその内の1人でした。
初めてみて、ビックリしました。
まず左手で、弦を押さえてみるのですが、右手の指(ピックでも良いのですが)が合わないんです!
ここでまずつまづきます。
これはギターも一緒なんですけど、例えば「ドレミファソラシド」を弾く時に、弦が1つ上がるんですね。
ドレ「ミ」の所で。
そのときに、左手で押しているタイミングと、右手で弦を弾くタイミングが合わない。
そのとき点でリズムが崩れてしまう。
ここもつまづくポイントでは無いでしょうか?
それが出来るようになっても、ベースはギターよりも弦の幅が広く、左手の指を結構動かさないといけないんですけど、その動かす段階で音がズレたり、それによってで右手と左手が合わ無くなる。
ベースは、やってることはギターに比べると単調なのですが、
しかしボーカルやギターみたに直ぐに音はとれないし、分からない。
かといってベースはギターのように”実は簡単なことをしているけど、カッコよく見える聞こえる”
というようなことは御座いませんでした。。。
それに、練習をする場合、普通は曲をコピーすると思います。
その場合、だいたいスコアを買って練習するのですが、事ベースはリズム楽器なので、
スコアに書いてある所をタブ譜を見て弾いても、何か元の音とリズムが違うんです。
音楽の才能がない、凡人なわたしは、何回やっても、
どのようにしてもそうなるので、そこでもよくつまづきました。
一念発起して、ベースを始めてみたは良いが、まったく上手くいかない、楽しくない。
非常に悩みました。
そしてわたしは、自分ではもうどうしたら良いのかも分からず、
わたしにベースをススメてくれた、プロとして活動していたLさんに、
ベースが上手くなる為には、具体的に何をどうすればいいのかを、
藁にもすがる思いで相談してみました。
話の中で、何かコツでも掴めたらと…
わたしは、確かにLさんの言うとおり、楽器はボーカルよりも凄く可能性を感じるんですけど、
現状まったく全然上手くいかない。どうした良いのか等等…
今まで溜まったベースに関する悩み、鬱憤を全てLさんにぶつけてみました。
そんなわたしの、悩みというか、もはや愚痴に快く付き合って下さったLさんは、わたしにこう言いました。
「結局、ベースってのはリズムだよ。 」
「 例えばギターは、勿論リズムやバッキングも大事なんだけど、やっぱりソロであるとか、音の厚さを出すっていうのがギターなんだよね。」
「ギターやピアノなんかは、楽器から音が三重、五重で聞こえたら、結構誰でもそれなりに上手く聞こえちゃうんだけど、ベースは和音じゃないから、ギターやピアノみたに音の厚さがない。
ベースは“単音”なんだよ。 だから!“1つの音で圧倒的なリズムを出すさないといけない”
それがベース。」
「”ドレミ”の”ド”だったら”ド”だけで、グルーヴしないといけない。つまり、つむぎだされるその1音1音が凄く大事なんだよ。」
「でも、逆を言うと、ベースはだからこそその部分極めれば、つむぎだされるその1音で、その場を掌握出来る。そこがベースの特徴であり、凄く魅了的な所なんだよ。」
その話を聞いたときわたしは、銃で撃たれたような、そんな衝撃を受けました。
言われた瞬間は意味が分かりませんでしたが、直ぐにLさんの真意を読み取りました。
『 曲のコピーだけでは音楽的向上は無い 』
『 音楽的なベーステクニックを身につける必要がある 』
『 音楽の仕組み、理論、テクニック、全てを並行して行う必要がある 』
絶対にベースが上手くなりたい。
そして、いつかはベースの全てのテクニックを手に入れたい。
そんなわたしの想いが伝わったのか、Lさんからこんなアドバイスをいただきました。
わたし: 「わたしはベースが上手くなりたいし、出来ればLさんみたいに音楽で成功したいいんです。そのためにも、どうかわたしに、教えを頂けませんでしょうか?」
Lさん:「有難う。成功しているかどうかは分からないけどね(笑)
まあ、本気ならきちんと教えるけどね。正しいやり方をすれば、絶対上手くなるっていうのは本当。それにベースの“面白さ”も分かるだろうし。書店で売られているような教材では、小手先のテクニックしか身につかないけど、ベースを音楽として捉えたとき、初めて本物の“音”が出せる様になるし、そうなる為のコツが掴め、そしていずれは根源に到達出来るんだよ。」
わたし; 「勿論本気です!ぜひよろしくお願いします。」
そうしてわたしはLさんのアドンバスを元に、もう1度再チャレンジしました。
基礎から様々なジャンルの音楽理論まで徹底的に学びました。
わたしはもう、言われたことだけ一生懸命やりました。
そして再チャレンジから一週間程後に、驚くべき事が起こります。
それは当初では考えられないくらい“ベースの面白さ”が分かってきたんです!
そして自分でもビックリするくらい、壁を越えてました。
そのベースの面白さっていうのが実は、その壁を越えるあるポイントを意識してやるまでは、
「ベースって単調だなぁ」「目立たないよなぁ」
と心の片隅にあった思いが、そのポイントをマスターした後は、
「ベースって実は、どの楽器より可能性がある楽器なんだ!」に変わっていました。
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